5.不撓不屈の実行力を養う(創造力・展開力)
怯めず臆せず勇敢に、無心で物事に当たる
恐怖と弱さを克服する。恐怖は心の状態であり妄想である。強い自分として振舞う。
→義理の弁別が明らかになると、知識は単なる知識ではなくなってくる。即ち、知識は、理想精神・創造力に照らして判断された「見識」となる。
従って「見識」は常に決断を伴うものである。そして決断させるものは知識ではなく「理想」である。理想があるから決断力が出てくる。
しかし、決断だけでは足りない。様々な利害・矛盾・議論の中にあって、どうしても実践しなければならないという実行力が必要になる。必要なのは実行力である。
言い換えれば、実行力があるというのは、自分の主体性が確立して自由を得ていることで、それだけ安定する。「中庸」から言えば、素行自得。
どんな艱難辛苦に直面しても構うことなく、自分の道を歩んでいく。新しい境地を自力で開拓していくという悠々たる気概が出てくる。
そうすると、その実行力の中には、自ずと風韻・風格というものが生まれる。
実行力というのは非常に強力であり、また危ういものである。それよりは、いい加減なところでまごまごしている方が楽なことも少なくない。
だから、現実を回避したり隠遁したりするような主義や思想も発達する。 |